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移民讃歌EP03 嵩元盛兼

移民讃歌EP03 嵩元盛兼

 8月、玉城デニー知事を筆頭に県内40を超える市町村長と関係者がハワイとカナダの移民125周年記念に参加した。国内で屈指の移民権沖縄、多くの苦労を乗り越えて、今では42万人を超える県人が世界で躍動している。

 その始まりには、もうかって「親孝行」をするという目的から、一旗上げて成功を目指す「雄飛の精神」があった。しかし、現実には約束と違う土地だったり地域の疫病など、想像を絶する苦難の連続だった。最近やっと幾つもの出版やドキュメントによって移民の実態や感動も知られるようになった。

 第2次世界大戦の地上戦で何もかも失った沖縄の実情を知った海外の県人は、自分たちの苦しい生活の中から頑張って文房具やお金を送ってくれた。ハワイ県人会が北米・南米から浄財を集め550頭の種豚を送ったこと、それは太平洋の嵐も機雷も超えた綱渡りの偉業だった。また、送られて来た豚を我慢して食べず、沖縄中に広げてくれた先人たちの「チムぐくる」も、全ては過去の物語として忘れられつつある。

 世界がつながり、商品の流れも人の動きも早く大きくなったグローバル国際社会。しかし、トランプ米大統領がメキシコとの間に造る「国境の壁」が象徴するように、民族主義の高まりと移民排斥は深刻な問題となっている。「移民」をどう理解するかは国際社会の激しい競争と紛争を乗り越える大事なテーマである。こんな時代だからこそ、「イチャリバチョーデー」の精神を持った沖縄県民146万人と海外42万人がより緊密なネットワークを構築して「万国津梁」の役割を果たすことが期待される。

 今回、2年後に迫った第8回世界のウチナーンチュ大会に向けて、移民125年のドキュメンタリー映画製作の構想が立ち上がっている。過去の歴史から現在の移民状況、これらを展望するものである。また、今しかできない貴重な資料の収集と記録も目的としている。そして、それは「次世代への継承」として、これからの教育の中で活用されるものである。激しく揺れる世界情勢の中で、沖縄の国際社会での位置付けを理解することは、子供たちの「生きる力」を育む貴重な財産となる。小学校、中学校、高校と移民について学習できる教材としての活用を考えている。

 第8回世界のウチナーンチュ大会にはいい意味で新しい多くの要望がある。これまでの実績を総括して、沖縄の可能性を広げる新しいスタートが期待されている。その土台となる移民ドキュメンタリーの制作事業に、多くの方々のご理解とご協力を心からお願いいたします。